2019年10月26日 (土)

仁城さん親子がつくる木の器には…



写真の説明はありません。








仁城義勝さんの今年の木の器が届きました。

以下、長文になりますが、この機会に書いておきたいことがあります。もしよかったらお読みください。

仁城さんの器は1年サイクルで出来上がってきます。穂垂では2007年から取り扱いを始めましたので、今年で13回目の納品ということになります。
今年も無事にこの季節を迎えることができたことにほっとしています。

去年は地震で店の在庫の器の多くを割ってしまいましたが、仁城さんの器も棚から激しく落下したものはその被害を免れることはできませんでした。

当時、仁城さんに地震の被害を報告し、たくさんの作品に傷を付けてしまったことをお詫びし、修理の相談をしましたところ「直しますので送ってください」とすぐさま仰ってくださいました。

木の器は陶磁器に比べるとかなり割れにくいものなので、一個一個の器についたダメージはとても小さかったのですが、落下してあちこちにぶつかったり、器同士が擦れあってできた傷はなかなか厄介で、木目が透ける漆仕上げの仁城さんのような器の場合はわずか0,数ミリの深さの打ち傷を新品同様に直すのは不可能ではないにせよとても困難であることが見ていただいてわかりました。

そのままでももちろん使うには何の不足もありませんが、売り物としてはどうしようもない状態になってしまっているという、そんな作品が20数点ほどあったでしょうか。それらを前にして仁城さんは私にこんな提案をされました。

「これを僕に買い取らせてください。買い取った器は僕の知り合いや友人の困っている人たちに配らせていただきます。」 昨夏、仁城さんの暮らす岡山で大規模な浸水被害があったことはみなさんの記憶にもまだまだ新しいと思います。仁城さんの友人知人の方の中にも被災された方が多くいらっしゃったようで、食器も何もなくて困っている人たちがいるから彼らに差し上げたいとの申し出でした。
そうしたらみんなにも喜んでもらえるし、石澤さんにも少しでもお役に立てると思うから、ぜひそうさせてくださいと。

このときのことを振り返ると私はいつも自然と目に涙があふれてきます。今もそうです。
私は申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、仁城さんの提案に甘えさせていただき、わずかなキズが入って売るに売れなくなってしまった器が陶器を中心に他にもたくさんありましたので、それらを仁城さん親子に託して配っていただくことにしました。
息子さんの逸景さんはそんな器に対しても私に現金書留を送ってくださいました。もちろんそれはお返ししましたが、お気持ちは本当に嬉しかったです。

昨年は仁城さん親子だけでなく、お付き合いのある多くの作り手さんたちが様々な形で私に助けの手を差し伸べてくださいました。これらはみな今でも私の心の支えとなっています。
こうして思い返してみると、周りの人たちに支えられながら生かしてもらっているんだなという思いを強くします。

そしてまた今も自然災害が猛威を振るっていて、今まさに困難に直面している方も多くいらっしゃることを想像すると心が痛みます。

しばらくはつらい日々が続くことと思いますが、支えあい助け合う気持ちというものは日本中どこにいても必ず存在しますので、どうか心折れないようになんとか踏ん張っていただきたいと切に願っています。



入荷分すべてではありませんし、画像の準備もまだできていませんが(どれも定番作品ですので過去掲載分を探していただくと色々出てくるとは思いますが)、オンラインショップの仁城さんのページの在庫状況を取り急ぎ更新いたしました。
逸景さんの入荷はまだですが、どこまでも優しく愛情深い親子のお気持ちが作品の中にも確実に詰まっています。
お二人の木の器はこの厳しい時代に慰めをくれるような優しさに満ち溢れています。
多くの方にその優しさに触れていただければ嬉しいです。
  

仁城さんのオンラインショップページはこちらからどうぞ↓

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2018年5月24日 (木)

三笘修陶展 オープンデイを終えて

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三笘修陶展のオープンデイが終わり、現在web展の準備をしているところですが、ここでオープンデイの様子を少し振り返ってみたいと思います。

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最近は台湾・中国をはじめとする海外での展覧会を行うなど、規模の大きな個展が増えてきた三笘さんにとって、穂垂での展示は、文字通りアットホームな小さな空間での展示ということで、いつもとは少し違ったお気持ちで臨まれたのではないかと思います。
  
展示スペースは一般的なリビングダイニングということもあり、三笘さんが近年作品作りを通して親しんでおられる中国茶をお客様に振る舞いましょうかと打ち合わせ時にご提案をいただきました。

そしてオープンデイもたったの二日間だけなので、二日間とも居てくださることになり、前日の設営の段階から携わっていただくことになりました。
 

いつもは私一人で設営をすることがほとんどですが、今回三笘さんがお手伝い下さったことで、コンパクトな空間に適材適所の家具配置と作品のディスプレイを施していただき、私一人の時以上に作品が部屋に馴染みながら、さりげなく魅せる設えになったように思います。

(実のところ、片付けでいっぱいいっぱいの私を横目に、そのほとんどを三笘さんがスラスラと配置してくださったのでした)
 

人気店での展示であれば開店前からお客様が並ぶという光景が当たり前になっているような三笘さんの個展ですが、こちらではそのようなことはありませんし、基本的に事前に来展をお知らせいただいていて、来客数もある程度予想できますので、三笘さんもゆったりととしたお気持ちでお客様をお迎え下さいました。
 

オープンから程よい加減で三笘ファンの方々が来られ、三笘さんはお一人お一人に丁寧にお声がけされ、お茶を振る舞いながらお客様とのお話を楽しんでおられました。

お客様もお品選びに焦る必要もなく、好きな作家さんにお茶を淹れてもらいながら器選びできる贅沢な時間をゆっくり楽しんでいただけたのではないかなと思います。
 

初日には穂垂でお馴染みの急須作りの名人の水野博司さんもお見えになりました。
居合わせたお客様の中には水野さんの急須を愛用されている方も数人おられ、その方々ににとっては大きなサプライズになったことと思います。

三笘さんにとっても水野さんとは初対面で、最初緊張されたようですが、水野さんの穏やかな人柄に触れ緊張もすぐにほぐれ、お茶の話や急須の話などをじっくりとされながら、最後には水野さんに急須の制作依頼までなさっていました。
 
夜は、三笘さんともきっと親交がおありだろうと、ガラス作家の津田清和さんもお招きして夕食をともにし、その後展示も見ていただきながら、楽しい時間を過ごしました。

お忙しい中、駆けつけてくださった津田さん、ありがとうございました。

 
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二日目はあいにくの雨で、しかもかなり本気の雨が展示会の間中降っていましたが、足元の大変悪い中、多くの方にお越しいただきました。
 
この日は展示に協力いただいた木工の小倉広太郎さんが来てくださり、三笘さんとは作品を通してすでに交流していたもののここで初顔合わせとなり、お互いの仕事の話を中心にいろいろお話されていたようです。

小倉さんにはご自身の個展の間隙を縫って快くご制作いただきました。
 
そして、もう一人今回の展示にご協力いただきました銅版画の木村茂さんは、ご高齢ということもあってあいにく展示会にお越しいただくことは叶いませんでしたが、ところどころに配置させていただいた小さな自然物を描いた作品が、三笘さんの作品に違和感なく寄り添ってくれて、展示に奥行きを与えてくださったと思います。

この場をお借りしてお二人のご協力に感謝申し上げます。
 

そして、遠方から初めてお越しくださったお客様、雨の中自転車で来てくださったり、毎回のように欠かさず来てくださるご常連さんや友人、お越しいただきましたすべての方々に心より感謝申し上げます。
 
 
 

三笘さんは閉店間際まで居てくださり、合計3日間三笘さんとともに過ごさせていただきました。
最近はご多忙のため常設での取り扱いができなくなってしまいましたが、三笘さんとはもう長いお付き合いになりますので彼がどのような人かは分かっているつもりですが、この3日間を通じて、細やかな気遣いのできる素敵な方だと再確認いたしました。

そしてやはり三笘さんの作る器にも、そのディテールの端々に、丁寧でさりげない気遣いの心が反映されているなと感じます。
 

今週末にはそんな三笘さんの器をweb展として掲載していきたいと思いますので、どうぞ楽しみにお待ちください。
 

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◎三笘 修 陶展 「小さな器に写し取るもの」

会期 2018年5月12日(土)~

○オープンデイ:5月12日(土)、13日(日) 両日作家在展

●web展:5月下旬~ 
 

詳細はこちら をクリックしてご確認ください。

 
> うつわ穂垂HPへ

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2018年5月 4日 (金)

三笘修陶展開催を前に

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三笘さんの新しい工房の一角には、さほど大きくない窓が一つだけある土間の小さな展示室、というよりかは接客のためのちょっとした茶室のような空間が設けられていました。
それは、木と土と漆喰に囲まれた、狭く簡素な空間ですが、その狭さゆえに自然と心が鎮まっていく、そんな空間でした。
  
押しも押されもしない人気作家となって多忙を極める三笘さんですが、忙しい中でも精神的な豊かさを失いたくないという想いが、その小さな空間に込められているように感じました。
  
そこで三笘さんが丁寧に淹れてくださる台湾のお茶を一煎一煎いただく毎に、少しずつお互いの心を解きほぐしながら、私たちは静かな対話を積み重ねて、今回の展示会に向かう気持ちを一つにする作業を行いました。
もちろんそれはその場でなくてもできることではありますが、その小さな空間とお茶を淹れてくださる行為によって、よりかけがえのない特別な時間になったように思います。
  
私たちが共有した今展のイメージは、「自然を集め、解き放つ」というものです。
三笘さんは自分の身近にある、木や石や土などの自然のものを自らの手で集めて釉薬の原料として使っておられます。
だから出来上がった器には自然のエッセンスが凝縮されて滋味となって表れています。
使い手は今手にしている小さな器に自然を見い出し、そして翻ってその小さな自然から、土や木や石やさらには光や風や匂いなど、その集積としての様々な自然に思いを馳せることができるのではないでしょうか。
 
ただしそれは天然素材をダイレクトに押し出した自然ではなく、あくまでも三笘さんというフィルターを通して浄化された自然の上澄みのような清らかなものであると申し上げたいと思います。
 
注がれた茶の芳しい香りとともに少しずつ解き放たれる三笘さんが掬い取った自然の芳香を味わっていただきたいと思っています。
運が良ければ作り手である三笘さん自身がお茶を淹れてくださるかもしれません。
 
皆様のお越しを三笘さんとともにお待ちしております。 

 
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◎三笘 修 陶展 「小さな器に写し取るもの」

会期 2018年5月12日(土)~

○オープンデイ:5月12日(土)、13日(日) 両日作家在展

●web展:5月下旬~ 
 

詳細はこちら をクリックしてご確認ください。

 
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2017年5月26日 (金)

村木雄児さんの工房を訪ねて

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4年ぶりに訪れた草木生い茂る村木雄児さんの工房。

この自然豊かな環境の中から村木さんの器は生まれます…
 

 

◎村木雄児 陶展

会期 2017年5月27日(土)から6月30日(金)まで(オープンデイは27、28日の二日間のみ)

詳細はこちらをクリックしてご確認ください。
 
 

 
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2017年5月25日 (木)

村木雄児展2017 今週末より

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今週末より、穂垂では2年ぶり4回目となる村木雄児さんの個展が始まります。

「土」という最も自然的な素材を、最も自然な雰囲気で「うつわ」に変換できるのは、村木さんをおいて他にありません。

直接ご覧いただけるオープンデイは27日と28日の二日間のみとなりますが、一人でも多くの方にご覧いただけましたら幸いです。

初日は村木さんもお見えになりますので、作り手自身の制作のお話とともに作品をお楽しみください。

 
 

◎村木雄児 陶展

会期 2017年5月27日(土)から6月30日(金)まで(オープンデイは27、28日の二日間のみ)

詳細はこちらをクリックしてご確認ください。
 
 

 
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2016年12月26日 (月)

「藤田佳三展」が始まりました。

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2016年最後となる、そしてそのまま年をまたいで2017年最初の展示会にもなる、「藤田佳三展」が12月24日からスタートしました。

オープンデイを終え、すぐにWeb展をスタートさせたいと思っていましたが、準備不足でまだスタートを切れないことをお伝えしなければなりません。お正月にも使っていただきたい器がたくさんあるものの、ちょっと年内のお届けは難しいかなと思っています。ほんの一部だけでもとは思っていますが…
  
レギュラーのwebshop対応でも遅れ気味の中ですので、ゆっくりペースにならざるを得ませんが、どうか気長にお付き合いいただけましたら幸いです。
 

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◎藤田佳三展

会期 2016年12月24日(土)から2017年1月31日(火)まで(オープンデイは19、20日のみ)

詳細はこちらをクリックしてご確認ください。
 
 

 
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2016年11月21日 (月)

土井善男・清水なお子二人展 オープンデイ2

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オープンデイ二日目が終了。

今日も器話の花が咲いた良い1日になりました。

少ないながらも大切な方々とお話しできた2日間に感謝です。

さて、明日からは本来のWeb展に戻って、いやまだ始まっていませんでしたね、明日はたとえ少しでも通販ページを掲載いたします。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 

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◎土井善男・清水なお子二人展

会期 2016年11月12日(土)から30日(水)まで(オープンデイは19、20日のみ)

詳細はこちらをクリックしてご確認ください。
 
 

 
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2016年11月20日 (日)

土井善男・清水なお子二人展 オープンデイ1

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ここのところずっと小春日和続きだった好天から一転、オープンデイ初日は曇り空の下でのスタートとなりました。

土井さん、清水さんもいて下さり、来てくださったお客様と器の話に花が咲きました。

明日二日目は私一人ですが、よろしければお出かけください。

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◎土井善男・清水なお子二人展

会期 2016年11月12日(土)から30日(水)まで(オープンデイは19、20日のみ)

詳細はこちらをクリックしてご確認ください。
 
 

 
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2016年11月17日 (木)

土井善男・清水なお子二人展 Web展6

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またまた深夜の更新です。

これは土井さんの薪窯焼成の磁器の小鉢です。

やっぱり薪で焼いたものは色味が自然でいいですね。

特別な素材は使っていないのですが、単なるベージュではなく、やはりそこにはいろんな色が含まれているように感じられるのです。

一点ものとして数点ご用意していますので、お好きな方はお見逃しなく。

 
 
通販ページの作業が遅れております。

ありがたいことに常設の注文をこなすのに忙しく、明日もWeb展作業の時間が取れそうにありませんので、一週目は完全にプレWeb展ということになってしまいそうです。

というわけで、土日のオープンデイには在庫100パーセントの状態でお迎えすることになりますので、ご来店予定の方は楽しみになさっていてください。

(Web展待ちの方には大変申し訳ありません)
 



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◎土井善男・清水なお子二人展

会期 2016年11月12日(土)から30日(水)まで(オープンデイは19、20日のみ)

詳細はこちらをクリックしてご確認ください。
 
 

 
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土井善男・清水なお子二人展 Web展5

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今日もまた日付が変わってからの更新になってしまいました。
 
今日は清水さんの小さな器のご紹介です。
 
こちらもまた小さな器から始めます。
   
 
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◎土井善男・清水なお子二人展

会期 2016年11月12日(土)から30日(水)まで(オープンデイは19、20日のみ)

詳細はこちらをクリックしてご確認ください。
 
 

 
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