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2007年1月25日 (木)

仁城義勝展 at 舎林

Ikkei019_1 今日は、大阪の漆器専門のギャラリー、『舎林』さんにて開催中の仁城義勝展を見に天王寺へ。
仁城さんは材木を丸太から調達して最後の塗りまですべて一人で行います。分業制の進んだ塗り物の世界では稀有な存在です。今でこそ、木地を挽くことから塗りまでこなす人は増えましたが、それもまだ少数。仁城さんはそれをもう30年近くやってこられました。しかも丸太から。
不勉強ゆえよくは知りませんが、丸太から器完成まで、きっと何年もかかることでしょう。栃や栗の木目が透ける質朴で楚々とした仁城さんの木の器は、赤呂漆を3回塗っただけで完成とする潔さ。仁城さんが追求するのは木の良さを出来る限り残すこと。漆を塗るのはあくまでも補助的なことなんだと思います。
昨年の福田敏雄展で福田さんが来られた際に、仁城さんのことが話題に上り、漆の塗り立て3回仕上げで強度は大丈夫なのか伺ったところ、きっと大丈夫だろうと仰っていました。じゃあ福田さんをはじめ多くの塗師たちは、なぜそれ以上塗り重ねるのかというと、それはより強くする補強の意味と、漆のリッチなテイストをよりよく表現するためということになります。これはどちらがいいとか悪いとかではなく、嗜好の違いでありましょう。

今展では仁城さんのご子息の作品も出品されていました。まだ二十歳そこそこの息子さんもお父上の仕事を引き継ぐ決心をされたそうで、3分の1ほどのスペースを息子さんの器が占めていました。その中から細長い板皿を1枚分けていただいて帰りました。唯一無二の父の仕事をこれからどのように引き継いでいかれるのか、温かく見守っていきたいと思います。

仁城義勝さんの木の器は今秋より穂垂にも登場の予定です。

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