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2007年1月30日 (火)

土の人

Murakiwan 吉田直嗣さんの工房を後にし、今回の作家巡りの最終目的地、村木雄児さんの工房を目指して伊豆へと南下します。
車を走らせることおよそ2時間、海を見下ろす高台に、村木さんの工房兼住まいはありました。建て替えてまだ2年と少しという工房はすでに様々な道具やら土やらでごった返していて、土と戯れて、またある時には格闘している村木さんが容易に目に浮かぶ佇まいをしていました。そして轆轤の横には挽きあがったばかりの端正な姿の瑞々しい鉢がいくつか並んでいました。

そんな仕事場を後にして、まずはご自宅に案内いただきご挨拶と相成りました。萬理さんとは随分以前に一度お会いしたことがあるだけだそうですが、「萬ちゃん、萬ちゃん…」と、もう長年付き合っているみたいに親しげにお話されていて、再会をたいそう喜んでおられるご様子が伝わってきます。話題の中心はお互いの共通の知り合いだった青木亮さんのことに自然となります。村木さんにとって青木さんは大人になってからできた、何でも言い合えるかけがえのない親友で、萬理さんにとっては記念すべき独立後初の展覧会をともにした、兄貴のような存在でした。村木さんの奥様を含め4人でケタケタと、しばし思い出話に花が咲きました。

さて、工房に戻ると在庫部屋には、特徴の異なる3系統の土と数種の釉薬を組み合わせて様々な表情を見せる碗や鉢がびっしりと棚を埋めていて、それはそれは圧巻でした。粉引をはじめ、唐津、三島、ちょっと変わったところではみかん灰の器など、どれも土の風合いを最大限に引き出そうとする村木さんの旺盛な制作意欲に満ち溢れる器ばかり。薪窯も新たに作り始めた村木さんですが、今までしてきた仕事の延長上にも「まだまだやりたいことはいっぱいある」と、どこまでも土と向き合う“土の人”村木雄児の姿がそこにありました。

Murakiwans 帰り際、村木さんに『池のさと』という地酒をいただき、ならばと自分用に粉引の片口を分けていただいて帰ることに。
萬理さんと二人して、村木さんの大らかで温かい人柄と、村木さんが生み出す生き生きとした器たちの余韻に浸りながら、工房を後にしました。

明くる晩、その片口でいただいたお酒が最高に旨かったことは言うまでもありません。

村木雄児/粉引碗(上の写真) \3,600

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