駆け足の常滑作家巡り 3
思い出しながらの記述になります。訪問からは一ヶ月以上が経ってしまいました。
水野さんの工房を後にし、途中、小洒落た古民家系の店でランチして、今回初訪問となる伊藤聡信さんのもとへと向かいました。
常滑特有の曲がりくねった細い路地を少し入ったところに、伊藤さんの工房件自宅がありました。ちょっと古い民家をご夫婦のセンスの良さで上手に手を加えながら暮らしておられる様子が、お邪魔した瞬間に窺い知れます。上の写真はお手製の玄関のたたきの部分。真ん中の石が角が生えたように少しだけ斜めに飛び出ているところが気に入り、写真を撮らせてもらいました。石畳フェチのツボがくすぐられました。分かりにくいかな。
最初はオブジェを作っていたという伊藤さんは、鶴見さんや小山乃文彦さんといった、この地で地道に器作りをする先輩たちと出会い、酒を酌み交わし語り合う中で自然と器作りに気持が向かっていったそうです。土ものなど色々試してみて今一番しっくりと来ているのが白磁にコンニャク印判を施した作風で、レトロな雰囲気を醸し出す伊藤さんの器は、余白を活かしつつ絶妙な間合いで控えめに施されたコンニャク印判の模様が、盛った料理にさりげなく花を添えてくれます。
釉薬としている天然の灰のその時々の変化や、不安定で一筋縄ではいかない窯の調子も、伊藤さんは面白がりながらうまく手名付け、気負いなく器作りを楽しんでおられます。昔の瀬戸の石皿にインスパイアされて取り組み始めたという灰釉の器も、中々の仕上がりを見せ、今後ますます目を話せない存在になりそうな予感のする伊藤さんでした。
帰り際、伊藤さんお奨めのスポットはないかと尋ねると、海岸から見える夕日が綺麗ですよと教えていただきました。歩いてすぐの海に家族でよく釣りに行かれるそうです。
この後2件回って常滑での作家訪問をすべて終えたころ、夕暮れ時を迎えました。
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