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2008年9月20日 (土)

千尋匙 どこまでも深く

Tomy005 台風の通過が懸念された昨日、雨の中、富井貴志さんが納品に来てくれました。
聞けば、富井さんは学生の頃から、笠間や益子などの手仕事の器に興味を持ちはじめ、後に三谷龍二さんの木の器に出会って木工を志したとのこと。
念願叶って、友人の川合優君とともに今春工房を開設して半年、怒涛のような忙しさだったようです(今もまだ渦中にいる模様)。
はじめて工房を伺った際に僅か二本だけ手元にあった一番小さな匙をいただいて帰り、早速使ってみたところ、その使い心地の良さに一目惚れならぬ一口惚れしました。
一番小さな匙は、もともとは富井さんが愛娘の千尋ちゃんの離乳食用に作ったそうですが、大人が使っても実に快適。先ず最初はバナナのスムージーを食べるのに使ってみたところ、柄が長くヘッドが小さい形状が、細長いコップの中でも、シャーベットを上手く掬えるし、舌触り・口触りもとても気持ちよく、木のカトラリーにありがちが“いかにも木を咥えてますっ”という感じもしないので、今までどちらかといえば木のカトラリーがあまり得意ではなかった僕も、使うのが楽しくなりました。使い手次第で他にも色々使えそうな形でもあり、今はもっぱらジャムスプーンとして使っています。

Tomy_138 因みに中間サイズはヨーグルト用、大サイズはカレーやチャーハンなどのごはん用として作られたものです。
真鍮で出来た韓国の匙がごはん用として、一部の人たちの間でもてはやされていますが、富井匙の軽さに慣れてしまうと、重くて持てなくなるかもしれません。
 

富井さんの魅力的な木の器と道具を今後も少しずつ紹介していきたいと思います。
まずは匙からの紹介となります。サイズが3種類、色も3種類、豊富に店に並んでいます。

Tomy_022 小)chihiro saji(L15) 
拭き漆仕上げ(黒・朱) \1,575
蜜蝋仕上げ \1,365

中)kikuchichi(L15)
拭き漆仕上げ(黒・朱) \2,520
蜜蝋仕上げ \2,310

大)kikumai(L20)
拭き漆仕上げ(黒・朱) \3,360
蜜蝋仕上げ \3,150
 

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2008年9月18日 (木)

伊賀・甲賀

忍者ではありません。

昨日は伊賀と甲賀にある2軒の魅力的なカフェ・ギャラリーを訪ねました。
伊賀の「やまほん」さんと甲賀の「マンマミーア!」さん。
昔忍者、今ギャラリー。
どちらも僕と同世代の男性が主催するギャラリーなので、勝手に親近感を覚えて帰ってきました。

両店とも興味深い展示会を開催中ですので、秋の昼下がり、カフェ・ギャラリーのハシゴなんてのはいかがでしょうか。道端に揺らめくススキに秋の風を感じながら、のんびりドライブするのも中々いいものです。仕事では幾度となく通っているところですが、仕事半分、遊び半分で気楽にドライブしていると、今まで見えていなかった美しい風景-古き良き日本の里山風景-が見えてきて改めていいところだなぁ、と思った次第。

間違いなくオススメです。
 

■大谷哲也 大谷桃子展
9.13-9.28
gallery yamahon/cafe noka 
HP

ひとこと)圧巻の作品点数。夫妻コラボの器がなんとも美しい。
カフェの奥にある小さなハイサイドライトから見える景色も素敵です。
美しい一本の雑木の幹が見えます。何の木だろう…


■「一本の楓の木から」展
9.10-9.28
gallery-mamma mia 
HP

ひとこと)一本の木から始まる無限の命の物語を感じ取りたい。


今回のトリップの情報源はコチラ、木工作家・富井貴志さんのブログから。
やまほんカフェの新しいテーブル天板は彼と川合優君の手によるもの。
白く染められたタモの天板がこれからどんな風に経年変化していくのかも楽しみです。

穂垂では明日から彼の作品の取り扱いが始まります。


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2008年9月15日 (月)

吉岡萬理展 来月開催。

Hotaru_022_2 来月個展をお願いしている吉岡萬理さんのDMが刷り上ってきました。
いまだによく間違えられるので言っておきますが、吉岡萬理さんは『よしおかまり』さんではなく、『よしおかばんり』さんで、男性の作り手です(以下、バンリさんと表記します)。写真は先月個展の打ち合わせに伺った時のもので、高台を削っているところです。

バンリさんはスポーツマンでもあり、今は母校のアメリカンフットボール部の監督も務めておられます。
少年・少女の時代、どこの学校にも、面白くてしかもスポーツ万能でカッコいい、みんなの人気者みたいな子がクラスに一人か、学年に数名いたと思いますが、バンリさんはまさにそんなタイプ。いわゆるネアカ(死語ですね)の代表みたいな人です。昨年の個展でも、「中学のとき、バンリさんに憧れていたんです」という元同級生の女性もいらっしゃっていました。

Banrinasi_003_3 そんなネアカでオトコマエなバンリさんが作る器、とりわけ色絵の器はハナがあって見ているだけで心楽しくなるような器です。大胆な色使いと筆使いで毎回僕たちを楽しませてくれます。
今回の個展では長年の課題だった板皿にもチャレンジしようと言ってくださり、魚を乗せるのに頃合の板皿をサイズ違いで数種類ご用意してくださるとのこと(これはおそらく鉄彩の仕上げのものがメインになると思います)。その他、お刺身のたまりを入れる豆皿は自由な色絵で楽しく、しかもリーズナブルな値段で登場すると思います。また、色絵の角鉢はマリネやサラダもキュートに見せてくれるはず。
それから、鉄彩と粉引の定番の器はもちろん、新しく作った形のものも穂垂初お目見えとなります。

あ、大事なことを言い忘れていました。今回の個展のメインキャラクターは「osakana-kun(おさかな君)」です。おさかな君は魚の形をした掛花入れですが、カクレ社会派陶芸家のバンリさんのこと、昨年のカルロス君同様、何か重要なメッセージが隠されているに違いありません(海のない奈良を恨めしく思う、バンリさんの単なる憧れの象徴かもしれませんが…)。

そんなこんなで今回も盛りだくさんで、お客さんを決して飽きさせない、バンリさんの魅力溢れる器がここ穂垂にやってきます。
今回はちょっと早めの展示会告知となりました。
DMも今週末頃からボチボチと発送してまいります。
どうぞお楽しみに!

Banri2008026_3 吉岡萬理
osakana-kunと魚の器展

10月4日(土)~10月13日(月) ※会期中無休

作者在店日/4日(土)

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2008年9月 8日 (月)

工房開き

Hotaru2_045以前ちらっと、京都に二人の若い木工家を訪ねた話をしましたが、昨日は、その彼らの工房で「工房開き」があり、出かけてきました。
川合優君と富井貴志さんが独立して共同で童仙房という地に開設した木工所のお披露目イベントです。

童仙房と聞いてピンとくる人は中々の陶芸マニアだと思います。陶芸の道具土で、やきものを焼くときに棚板に釉薬がくっついて取れなくなるのを防ぐために、やきものと棚板の間に小さく丸めて挟む土があり、それを童仙房土と呼んでいます。よく高台に3点ないし5点ぐらい、何かがくっついていたような跡があるのを皆さんもご覧になったことがあると思います。それが童仙房土の跡で、その土の産地がこの童仙房というわけです(今もここが産地かどうかはわかりません)。京都の東南端に位置します。

さて、いきなり脱線してしまいましたが、イベントです。
友人夫婦と連れ立って、お昼も遅い時間にやってきたのですが、小さな村でのちょっとした出来事なので、かなりの賑わいをみせていたようです。聞けば朝の7時半ごろから続々と人がやってきたとのこと。村の朝は恐ろしく早いようです。

実は二人が木工所として開設した場所は廃園となった保育園です。きっとこの保育園で学んだという村人たちも来られたのではないでしょうか。

今回カメラを持っていくのを忘れ、友人に借りて撮影したのですが、結局それをパソコンに取り込むのを忘れたため、上の画像は前回伺ったときに撮らせていただいたものです。壁には保育園の園歌が掲げられたままになっていました。里山らしい歌詞に風景が思い浮かび、心和みます。この場所から生まれてくる二人の仕事がとても楽しみです。

そんなわけで肝心の木工作品の画像がありませんが、川合君の杉箱と富井さんの匙などが近いうちに入荷しますので、またじっくりご覧いただきたいと思います。どうぞお楽しみに。

Htr_019同村内に窯を持つ清水善行さんが店を出しておられたので、焼〆の小さな壷をひとついただいて帰りました。

> お二人のHPへ(童仙房木工所)

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2008年9月 5日 (金)

カルロス君はどこへ?

Banri2008263この画は吉岡萬理さんの壷(カルロス君)のシルエットです。
今、来月開催予定の吉岡萬理展のDM作成の追い込みに入っているところなのですが、これは画像処理中に偶然に出来てしまったものです。面白いので載せてみました。

いいぃ形ですね。
さすが、萬理さんのロクロの上手さは相当なもんです。

ブログを書いている場合じゃないのですが、これはぜひみなさんにも見ていただこうと思い載せてみました。

この壷の画像はDMの切手のところに小さく入れるつもりです(もちろんシルエットではなく、ちゃんとカルロス君が写っているのを)。

では、作業に戻ります。

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