千尋匙 どこまでも深く
台風の通過が懸念された昨日、雨の中、富井貴志さんが納品に来てくれました。
聞けば、富井さんは学生の頃から、笠間や益子などの手仕事の器に興味を持ちはじめ、後に三谷龍二さんの木の器に出会って木工を志したとのこと。
念願叶って、友人の川合優君とともに今春工房を開設して半年、怒涛のような忙しさだったようです(今もまだ渦中にいる模様)。
はじめて工房を伺った際に僅か二本だけ手元にあった一番小さな匙をいただいて帰り、早速使ってみたところ、その使い心地の良さに一目惚れならぬ一口惚れしました。
一番小さな匙は、もともとは富井さんが愛娘の千尋ちゃんの離乳食用に作ったそうですが、大人が使っても実に快適。先ず最初はバナナのスムージーを食べるのに使ってみたところ、柄が長くヘッドが小さい形状が、細長いコップの中でも、シャーベットを上手く掬えるし、舌触り・口触りもとても気持ちよく、木のカトラリーにありがちが“いかにも木を咥えてますっ”という感じもしないので、今までどちらかといえば木のカトラリーがあまり得意ではなかった僕も、使うのが楽しくなりました。使い手次第で他にも色々使えそうな形でもあり、今はもっぱらジャムスプーンとして使っています。
因みに中間サイズはヨーグルト用、大サイズはカレーやチャーハンなどのごはん用として作られたものです。
真鍮で出来た韓国の匙がごはん用として、一部の人たちの間でもてはやされていますが、富井匙の軽さに慣れてしまうと、重くて持てなくなるかもしれません。
富井さんの魅力的な木の器と道具を今後も少しずつ紹介していきたいと思います。
まずは匙からの紹介となります。サイズが3種類、色も3種類、豊富に店に並んでいます。
小)chihiro saji(L15)
拭き漆仕上げ(黒・朱) \1,575
蜜蝋仕上げ \1,365
中)kikuchichi(L15)
拭き漆仕上げ(黒・朱) \2,520
蜜蝋仕上げ \2,310
大)kikumai(L20)
拭き漆仕上げ(黒・朱) \3,360
蜜蝋仕上げ \3,150
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コメント
木工の作家さんの取り扱いが「穂垂」で始まって、
私の楽しみが増えそうです。
長年、胸に温めている【お遊び】は、
カウンターテーブルの下に収まる【お茶道具箱】
日本茶、中国茶、紅茶
ポットや急須
カップや茶碗
キャスター付きのお道具箱に分け入れて仕舞い、
気分に合わせて出して【お茶の一時】を、楽しむ。
究極のババの楽しみとなりそうです。
投稿: juju | 2008年9月22日 (月) 09時49分
黒い匙、朱い匙、そして木の風合いたっぷりの匙、どれもいいですねぇ。興味津々です^^。
あわせるうつわを選びながらどの匙もほしい!です。
投稿: yam | 2008年9月22日 (月) 19時50分
>jujuさん
富井さんは匙から、川合君は箱膳から、取り扱いが始まりました
(川合君の箱膳はまた後日掲載します)。
二人ともこれからどんどん伸びていく作り手です。
応援宜しくお願いいたします。
「究極のお茶道具箱」は考えるのも作るのもかなり手強そうなテーマですね。
いつどのような形で実現されるのか…
んんん…
投稿: イシザワ | 2008年9月23日 (火) 23時36分
>yamさん
また今度じっくりと選びにいらしてくださいね。
楽しいですよ~。
投稿: イシザワ | 2008年9月24日 (水) 00時14分