うぶ展 No.7 木村茂さん -「Stone No.1」-
HPのトップページの写真がいつもと雰囲気が違うことに「おやっ」と思われた方も多いのではないでしょうか。
今回の展示会に合わせて購入した、版画家・木村茂さんの作品です。
STONE No.1というタイトルが付けられています。これは穂垂がスタートした年と同じ2001年に描かれたもので、木村さんが大きな病気をされた後に初めて作られた記念すべき作品です(ご病気になる以前は様々な対象物を描いておられた木村さんは、このあと、石の作品ばかりを100数十点彫り続けられることになります)。
「初心」という今回の企画展を思いついた時、すぐさまこの作品の存在を思い出しました。何百年なのか、あるいは何万年なのか知る由もありませんが、太古に生まれ、時を経て丸みを帯びた小さな石ころが、まるで生まれたての赤ちゃんのように描写されているこの愛らしい作品をぜひとも展示に加え、みなさまにもご覧いただきたいと思ったのです。木村さんにお電話差し上げ、展示に加えたい旨をお伝えすると、幸運にもあと2枚だけ作品が残っていることが判明し(確か木村さんは1作品につき99枚刷られていたかと思います)、その内の一枚がここ穂垂へやってくることになりました。
器とは関係ありませんが、心の栄養になるというところは器も版画も同じだと思います。
会期中、奥の部屋の壁面パネル中央に飾っていますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。
木村さんはそれぞれの作品にご自身の中ではサブタイトルを付けておられるそうですが、観る人に一つの限定したイメージを強制したくないとのことから、作品名は番号しか表記しておられません。あなた自身がイメージするサブタイトルを付けてみるのも面白いかもしれませんね。
> うつわ穂垂HP
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