石川出張3(最終回) 萠窯(竹内靖さん・智恵さん)
ここで今回初めてご紹介する萠窯さんを訪ねるのは実は初めてではありません。
もう10年以上前、店をオープンする前に全国各地の窯場を訪ね歩いていたときに、九谷の地で出会ったのが萠窯さんの器でした。器を見て早速窯を訪ねると、自分とほぼ同年代のご夫婦が九谷の伝統を踏まえながらもちょっと個性的な絵付けと形で器作りをされていて、穂垂オープン時に華やかな染付の器が並ぶことになりました。
今でこそ土ものを多く取り扱っている穂垂ですが、オープン当初は染付と土ものが半々か染付の方が若干多いぐらいで、また窯ものの器が多かったこともあり、そんな中では比較的値の張る萠窯さんの器はなかなか買い手がつかず、その後仕入れを断念せざるをえませんでした。
これはもう全くもって自分の恥をさらすことなのですが、当初私はお二人に「すぐに売れなくても、いいと思ったものを粘り強く置き続けるような店でありたい」などとかっこいいことを言っておきながらすぐに諦めてしまったという、なんとも不甲斐ない店主であり、萠窯さんに対して申し訳ないという気持ちと、いつかまた紹介できるときが来ればなぁという思いを持ち続けていました。
そして少し前にちょっとしたきっかけがあり、再び萠窯作品を穂垂で取り上げさせていただきたいという気持ちが強くなって今回の再訪が実現しました。
こんな私でも萠窯さんは快く迎えて下さり、靖さんは相変わらずクールで芯の通った器作りをされていて、智恵さんは情熱的な力強い絵付けがますます魅力的になっていました(お二人の作品作りは成形を靖さんが担当し、絵付けを智恵さんがなさいます)。
納品はまだ少し先になりますが、今度こそは焦らずじっくりお二人の魅力的な作品を皆さんに橋渡ししていきたいと思っています。
また、今回の石川出張でお訪ねした安齋さん、艸田さん、萠窯さんの三人展を来春開催することが決定しました。まだ先の話ですがどうぞご期待下さい。
> うつわ穂垂HP
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