川合優さんの重箱 ~自然が作り上げた装飾~
今日は川合さんの重箱をご紹介します。
川合さんはもともと家具作りからスタートしている方なので、こういった箱ものももちろん得意とされています。重箱のほか、箱膳や弁当箱、最近では茶道具として使う小箱まで手掛けておられます。
川合さんの重箱は内側はすべて拭き漆仕上げとしていますが、外側は拭き漆のほか、木地のままのものとウレタン塗装をしたものとがあります。
どの仕上げのものにも共通しているのが、木目の美しさと、それを際立たせるためのシンプルな形です。川合さんの仕事は鉋で削った木の上にほとんど何も足さない、装飾性のない仕事ですが、木がそのままで持っている木目の美しさを最大限に引き出すその仕事は、ときとして装飾的とも言えるほどに際立った美しさを現します。木目は自然が作り上げた装飾と言えましょう。
下にご紹介する重箱も、樹齢数百年の貴重な杉と栗の木を用いた一点一点が唯一無二の美しい箱たちです。なかなか素人写真ではその美しさをうまく捉えることはできませんが、想像力で補いながらじっくりとご覧いただけましたら幸いです。
■川合優/重箱(杉、8寸・二段・内拭き漆外ウレタン塗装) \68,250
外寸:約24×24×11.6cm(一段の高さ約5.4cm)
内寸:各段約22.6×22.6×4.5cm
樹齢500年以上の杉を用いた8寸の重箱。内側は拭き漆、外側はウレタン塗装。各段に十文字の仕切り(分解式)がついています。ウレタン塗装は浸透性のものを軽く施してあるだけなので、木の柔らかな肌触りは十分に残されています。
画像では良く分かりませんが、蓋の裏側は中心に向かって少しえぐるようにゆるやかな削りが入れられ、丁寧な仕事ぶりが伺えます。
■川合優/重箱(杉、6.5寸・二段、内拭き漆外木地仕上げ) \63,000
外寸:約19.5×19.5×11.2cm(一段の高さ約5.4cm)
内寸:各段約18.3×18.3×4.5cm
少人数向けの6.5寸サイズの重箱。樹齢数百年の材を外側には何も塗らず鉋だけで仕上げました。各段に十文字の仕切り(分解式)がついています。外側の木地は使い込むと次第に赤みを帯びた艶が出てきて美しく変化していきます。下段の下部に飾り切りが施され、四隅が足のようになっています。最近はこのような小さなものの方が重宝がられるようです。
■川合優/重箱(栗、6.5寸・二段、拭き漆仕上げ) \63,000
外寸:約19.5×19.5×12.2cm(一段の高さ約6cm)
内寸:各段約18.3×18.3×5cm
樹齢数百年の栗の杢の美しい部分を使っています。小さくいくつか空いた虫食いの穴もどこか上品で、さらなる味わい深さを添えています。各段に十文字の仕切り(分解式)がついています。下段の下部に飾り切りが施され、四隅が足のようになっています。木地仕上げのものに比べわずかに背が高くなっています。全面拭き漆仕上げなので扱いやすく、使い込むと艶も増していくことでしょう。
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