木地のままで
木でできた器の多くは、漆なり、塗料なり、オイルなり、何かしら木を保護するための仕上げが施してあるのが普通ですが、川合優さんの器の多くはそれらの仕上げを何もしない無塗装で木地のままの器です(中には漆仕上げも塗装したものも少しあります)。
川合さんは木は鉋で削っただけで、ペーパーも掛けず何もしない状態が一番綺麗だといいます。そしてそれは時が経っても、丁寧に使い込まれたなら、仕上げしたものよりも美しくなるんだと。だからなるべく何も塗りたくないと、オイルすら。ただしそのためには徹底的に鉋を美しく仕上げないといけません。そういう意味では木地仕上げは技術力が伴って初めて実現できる仕上げと言えそうです。
二人展のパートナーの仁城さんも最初は木地のままの器をたくさん作っておられたそうですが、当時はなかなか理解してもらえず、結局木地のままで売るのを諦め、木を殺さないぎりぎりの妥協点として漆を三回だけ塗るという仕上げに行きついたのです。
今は昔に比べると格段に色々な考え方を受容する社会になっているし、ネットを使えば作り手自ら情報発信もできるので、川合さんの試みも案外すんなりと受け入れてもらえるかもしれませんね。私も微力ながら協力したいと思います。
「川合 優 仁城義勝 二人展」
12月1日(土)-9日(日) 11:00~17:30
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